不実な美女か貞淑な醜女(ブス)か (新潮文庫)
米原 万里
新潮社 刊
発売日 1997-12
「風が吹けば桶屋が儲かる」のロシア語バージョンは「肉を食うと風邪をひく」だそうです 2007-08-16
「いいかね、通訳者というのは、売春婦みたいなものなんだ。要る時は、どうしても要る。下手でも、顔がまずくても、とにかく欲しい、必要なんだ。どんなに金を積んでも惜しくないと思えるほど必要とされる。ところが、用が済んだら、顔も見たくない、消えてほしい、金なんか払えるか、てな気持ちになるものなんだよ」「だから、売春婦に倣って、通訳料金は前払いにしておいたほうが無難だよ」と、のっけから師匠の「通訳=売春婦論」を披露するのが素晴らしい。タイトルの『不実な美女か貞淑な醜女か』のタネがあかされるのは三章。イタリアに《「翻訳は女に似ている。忠実なときには糠味噌くさく、美しいときには不実である」》という格言があり、フランス語でも「美しいが、原文に忠実でない翻訳」をBelles Infideles(不実な美女)というそうな。
テレ朝の秋山さんがソユーズで宇宙飛行する際の選抜テストでは、徹底的な癌検査が行われていたというのは知りませんでしたね。男性の場合は「陰嚢の鞘膜腔」を医師が引き延ばしながらシコリがないか調べたんだそうですが通訳として付き添っていた米原さんは《「えーとですね、Oさんのキンタマのシワをですねぇ」》と怒鳴ったそうです。
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